法雨抄

いのり2019年12月01日

十一月二十四日ローマ法王が長崎を訪れ、爆心地公園で犠牲者に花束をささげ、
犠牲者の御霊に深いいのりをささげられましたが、降りしきる雨の中で、
雨に打たれながら、しばらく花束に手を置いて祈り続けられた真摯な姿にうたれました。

続いて発せられたメッセージは、長崎を「核兵器が人道的にも環境にも
悲劇的な結末をもたらすことの証人である町」と指摘したうえで、核軍縮のため、
核抑止論に基づく、恐れ、不信、敵意を克服し、各国や宗教団体、市民社会などが
一致団結する必要性を強調されました。

これは我が国で鎌倉時代の末期、げんによる脅威にさらされたとき、
人心の刷新を訴えた日蓮上人の祈りと相通ずるものではないでしょうか。

日蓮大聖人立正安国論に曰く

一身の安堵あんどを思わば先ず四表しひょう(天下)の静謐せいひつ(平安)を祈るべきものか

令和元年12月1日 第741号「いのり」

法雨抄一覧へ戻る