法雨抄

義犬塚2015年07月01日

 境内の一角に「義犬塚(ぎけんづか)」が建立されました。小佐々市右衛門前親(あきちか)の愛犬華丸(はなまる)の顕彰塚(けんしょうづか)です。
 前親(あきちか)は大村藩第三代藩主純信公(すみのぶこう)の守役として、後に家老として純信公を補佐してきましたが、純信公が江戸表において急逝するや、その後を追って殉死しました。すると前親が日頃膝下に抱き親しんだ愛犬華丸は鳴き悲しみ、その荼毘(だび)の火の中に飛び込んでなくなったのです。家人は前親の碑と並べ小型の碑に事の次第を刻し華丸の義を伝え残しました。
 その碑文も漸く見づらくなったので、今年三六五回忌を卜(ぼく)し、主人の愛に殉じた華丸の義を更に広く顕彰すべく、新たに華丸の石像と共に義犬塚が、前親の後裔(こうえい)小佐々学氏とその一族によって再建されたのです。
 日蓮大上人祈祷抄に曰く
 畜生なんども恩をば報ずる事は候ぞかし。・・・ 況や人類をや。

平成27年7月1日 義犬塚

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