法雨抄

灯を消せ2010年06月01日

 海釣りに出かけ、夢中になっていて夕闇に包まれてしまいました。あわてて帰ろうとしたが、潮の流れが変わって、方角がわからなくなってしまい、松明を掲げて必死に方角を探ろうとしたが見当がつきません。
  その時一人の漁師が「灯を消せ」と言う。灯を消すとあたりは真っ黒です。然し、だんだんと目が慣れてくると、遠くの浜の明かりがボーッと見えてきて、無事に帰りつくことができたといいます。(大田典生・「小さな感動」のおすそわけ)
  今日私たちの周囲には種々雑多の情報が飛び交い、目先の解決をあせって右往左往しております。それは目先の灯と同じです。一度灯を消して、目を凝らせば、真実の道が見えてくるのではないでしょうか。
  日蓮上人四条金吾御書に曰く
  海に非れば海藻なし、...法華経に非れば仏になる道なかりけるか。

平成22年6月1日 灯を消せ

法雨抄一覧へ戻る