プラス暗示2003年09月01日
プレジデント9・15号で高畑好秀氏は暗示についてこんなことをいっています。
目標を掲げて公言し、自己暗示にかけ、自らにプレッシャーをかける、このプロセスを経て、北島介選手は世界水泳選手権大会の、100m、200m平泳ぎで金メダルを獲得した。北島康介選手は、大会前から二つの金メダルを取ると公言していた。
通常、暗示というと自己暗示と他者暗示とあり、他人から常に同じ言葉を言い聞かされていると、言われた本人も徐々にその気になってくるものである。
こうして、周囲も北島選手も「今度は金メダル確実だね」と口にし、その人からの言葉が北島選手にとっての暗示効果へとつながっていく。こうしたプラス暗示の循環に自分を乗せていけば、思った以上の力を発揮していけるはずである、と。
この暗示ということが一番問題になるのは宗教の世界かもしれません。私たちが人生の不幸や災難に遭遇すると何か目に見えない超人的なものにすがろうとする気持ちになりがちで、そういうときにこの信仰にすがれば総べての不幸は解消するというような暗示にかける宗教まがいのものがありますが、神や仏はそういう魔力的な運命の支配者ではありません。
信仰というのは、悩み苦しみを持つ人間が仏の限りない慈悲の心にいだかれて、大きな安らぎの世界に生まれ変わる、人間の改造をめざすものであります。そしてそれによって、何ものにも恐れない、安定した心が得られ、悩み苦しみも乗り越える力がえられるのであります。
そしてこの人間改造を最も有効ならしめるのが南無妙法蓮華経です。自他共に唱えるお題目は、自己のお題目と他者のお題目とが人間改造へのプラス暗示の循環に乗って、易々と安らぎの世界へ自己改造が適うのであります。三大秘法 承事に曰く
今日蓮が唱うる所の題目は自行化他にわたりて南無妙法蓮華経なり
平成15年9月1日
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