法雨抄

大きな声で返事2003年04月01日

 4月にいると、8日は花祭り、お釈迦様のお生まれになった日、お寺さんへ行くと、花御堂ができ、お花で飾られた中で、お釈迦様がお立ちになっている。そのお姿に甘茶をそそぎます。「天上天下を指さして、お立ちになっていらっしゃる、今日は、あなたの花祭り」と大きな声で唄いました。
 そして帰りには甘茶を竹でできた小さめの手桶に入れてくださっておみやげ。私の幼いときは、その甘茶を家族が少しずつ頂き健康と幸せを祈ったのです。子供たちに対するとても良い行事でございました。
 花祭りと前後して入学式です。
 私に忘れられない思い出があります。母に「ご返事は大きくね」と何度も言われ家の中でも大きな声で返事をして父にも祖母にも褒められていたのに、入学して式典が終わりお教室に入って名前を呼ばれるのをドキドキさせて待ってのこと。私の名前を先生に呼ばれたとき、なぜか不思議ドキドキのまま小さな返事になってしまったのです。帰り道、母が「かよちゃん、ご返事は大きくよ」と注意されました。やさしく言ってくれた言葉も忘れられませんし、とっても残念に思ったことも忘れられません。
(梅研究会、梅家族・・海老名香葉子の「シャキット」生きよう育てよう・・より)
 ソウです。仏様へのご返事も大きくなければなりません。仏様は世界中に聞こえるように慈悲の教えを説いていらっしゃるのに、その復唱の返事が小さくては折角の仏様のお慈悲が無駄になってしまわないでしょうか。仏様の最高の教えは南無妙法蓮華経と響きます。それは法華経の肝心です。私たちもそれを大きな声で復唱すればその功徳を頂戴することになるのです。
 大きな声は心にわだかまりがないということです。本当に仏様のお声を聞いている証拠です。

 日蓮上人教行証御書に曰く
 この法華経の肝心妙法華経は三世の諸仏の万善万行の功徳を集めて五字となせり

平成15年4月1日 「大きな声で返事」

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