法雨抄

呼び合おう2012年03月01日

 今年の歌会始のお題は「岸」でしたが、儀式で披露される入選作のほかに、天皇・皇后両陛下が目を通された佳作十九首があり、その中に佐世保市在住の井元静夫さんの一首がありました。それは
 声高(こわだか)なこえならとどく向こう岸
 肥前(ひぜん)と筑後(ちくご)が訛(なま)って話す
と、両岸の人々の交換風景ですが、声高なら、川が二人の間を隔て、言葉は違っても、思いは届く、とも取れます(長崎新聞・水や空)ね、
 仏様は私たちのいる岸を此岸(しがん)と言い、仏様の立つ向こう岸を彼岸(ひがん)と言い、両方が呼び合えば思いは通じると説かれましたが、私たちの声は小さくて仏様に通じない、声を大きく、心をこめて精一杯呼びかけるんだ、とおっしゃいました。
 日蓮大聖人 同生同名御書に曰く
 仏は思う者の如し...我等仏を思わばいかでか釈迦佛見え給わざるべき

平成24年3月1日 呼び合おう

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