法雨抄

有難う2011年05月01日

 東日本大震災から四十九日がすみ、天皇皇后両陛下の御慰問もいただいて、被災者の方々も懸命に立ち上がろうとしておられますが、まだ出口が見つからないようです。でも「小さな悲しみは口に出せるが、大きな悲しみは口をつぐむ」といわれますのに、大きな悲しみを背負った方々が、その悲しみを乗り越えて、有難う、有難うと支援に感謝し、立ち上がろうとしておられる姿には感動を禁じえません。
 私たちの幸せということは、私たちをめぐるすべての人たちとのつながりにおいてのみ可能であることを思えば、あの人たちの苦しみは私たち皆の苦しみでもありましょう。この上とも善意と善意を紡いで、一日でも早い復興を祈りたいものです。
 日蓮上人立正安国論に曰く
 須らく一身の安堵を思わば、まず四表の静謐を祈るべきものか。

平成23年5月1日 有難う

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