法雨抄

原爆忌2009年08月01日

暑中お見舞い申しあげます。
 今年も六五回目の原爆の日がやってきました。被爆体験をいまだに話せない人がいるなかで、服装デザイナーの三宅一生が被爆体験を発表したということで反響をよんでいますが、六五年たってもその痛みは薄れることはありません。私も四日目に原爆の野に立った時の記憶は忘れることができません。
 原爆にあって何一ついいことはないのに、いまだに核の力に依存しようとしている人間の愚かさ、平和は所詮夢なのでしょうか。いや、夢であってはならないのです。嘗て湯川秀樹博士は「物質の原子力に比例した、精神の革命が伴わなければ、人類は救われない」と言いました。
 日蓮聖人立正安国論に曰く
 天下泰平国土安穏(てんかたいへいこくどあんのん)は君臣の楽(ねが)う所、土民の思う所なり。それ国は法に依って昌(さか)え、法は人によって貴し。

平成21年8月4日 原爆忌

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