法雨抄

免疫力を高めよう2005年06月01日

 全身に転移した悪性リンパ腫の患者さんが、主治医から免疫力をあげるために「1日5回笑って、5回感動するように」とアドバイスされたので、それを忠実に守り、退院後は、広い野原で毎日「自分の病気は必ず治る!」と大声で叫ぶことを日課としたところ、本当に悪性リンパ腫が治ったという話を、ある本で読んだことがあります。(中略)「笑い」「喜び」「楽しみ」「感謝」「感動」「希望」といったプラス感情は、間脳の働きを活性化してNK細胞の活性を増し、ガンをはじめとする種々の病気に対する抵抗力を促進し、逆に「哀しみ」「恨み」「つらみ」「怒り」「失望」などの負の感情は、NK細胞の働きを抑制してガンをはじめとする万病に対する免疫力を低下させることがわかっています。(シグネチャー6月号、長崎大学医学部出身で自然療法の研究家石原結実氏「免疫を高めれば病気を防げる、直せる」より)
 今日私たちの周囲には負の感情を助長するような事件や現象が日常茶飯事のように起こっております。行きずりにすれ合った人を傷つけてみたり、ゲーム感覚で人を殺して、ただいらいらして、憂さ晴らしをしたかった、誰でもよかったんだとか。一体生きると言うこと、命と言うものをどう考えているのでしょうか。
 心の悪性リンパ腫を抱えてなすすべを知らないでいるとでも言えばいいのでしょうか。「哀しみ」「恨み」「つらみ」「怒り」「失望」は修羅道の消息です。しかし、そこを一歩踏み出してみれば、すべての生き物は皆本当の幸福をもとめて一生懸命生きているのです。自分の幸せを願うならば人の幸せも大切にしなければなりません。「笑い」「喜び」「楽しみ」「感謝」「感動」「希望」は幸せの世界の消息なのです。人間も社会も世界も負に対する免疫細胞を活性化させる素なのではないでしょうか。日蓮上人曰
 「浄土と言うも地獄と言うも他には候はず、ただわれらが胸の間にあり」

平成17年6月1日 「免疫力を高めよう」

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