法雨抄

心の師となれ2001年08月01日

暑中御見舞申しあげます。

 中坊公平さんにこんな話しがあります。
 小学校の同窓会で担任の先生が
 「君のお父さんは変わっていたな」
 と言ったことから、その先生に聞いた話しとして中坊さんが語る所によると、
 ある日その先生がお父さんを呼んで
 「公平君はこんなに成績が悪い。お父さんもお母さんももとは先生ではないか、せめて自分の子の勉強ぐらい教えたらどうです」
 と言ったそうです。するとお父さんは
「うちの子は『金』ではなく『鉄』なのでしょう。いちばんかわいそうなのは、鉄であるのにもかかわらず、教育の名において金メッキすることです。メッキは必ずはげるときがきて、そのときにこの子が苦労する。それぐらいなら、『生まれついて金ではなかった』ということをよくわからせたうえで、なんとか鉄として生きていく方向を考えてやるべきではないか」
 とこたえたそうです。(ロータリーの友7月号)
 今の時代は誰もが木に竹を接ぐように背伸びし、金メッキで金きらきんに飾り立てて、他人の目ばかり気にして生きているように思えてなりません。然し、本当の幸せは常に自分の守備範囲で、自分を最高に燃焼させ、自分の価値判断で生きていく中にあるのではないでしょうか。
 21世紀最初の選挙も終わりました。皆さん結構尽くめのことをおっしゃっていましたが、国民の為に自分を燃焼させて、政治家として自らの価値判断を誤らないようにしていただきたいものです。
 日蓮上人兄弟抄に曰く
 心の師とは成るとも心を師とせざれとは涅槃経の文なり。縦いいかなる煩わしき事ありとも夢になして、只法華経の事のみさわぐらせ給うべし。(法華経とは道理・真理と置き換えて考えても可)

平成13年8月1日 「心の師となれ」

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