法雨抄

真の美顔術2001年07月01日

  古代インドのコーサラ国王の妃、マッリカーは、お釈迦様に次のような質問をした。
「お釈迦様。同じ女性に生れながら、ある人は美人、ある人は醜い女になるのは、どうしてなんでしょうか」
「怒りやすい女性は、顔だちが醜くなるのだよ」
「分かりました、お釈迦様。私はこれから、決して怒らないように注意します」
と妃は誓の言葉の述べる。
 お釈迦様は、美人・不美人と言うのは、顔の形の問題ではなく、その人の心の問題であると教えられたのだ。
 自分の顔が嫌だといって何百万円も出して整形手術をする人がいるが、外見を整えるよりも内面を磨き、心美人になりたいものである。
と、ARKコンサルティング代表太田典生氏は「知的生きかた文庫」の『毎朝1分で読める「栄養剤」』の中で述べています。
 仏教では「いかり」のことを「自分の心に違うものを憎しみいきどおり、心身をかき乱す心の作用」と言うように定義しておりますが、思い内にあれば、色そとにあらわれる道理で、その一番出やすい場所はやはり顔と言うわけでしょうか。ですから、その根本のところを治さないで、末の所をいくら手当しても本当の美人にはなりません。
 最近所謂美顔術による被害が報じられたりしておりますが、間違った美顔術は却って災いの元となるでしょう。
 その根本の美顔術は正しい教えによる「信仰」ではないでしょうか。正しい信仰による心の平安はその人の身も心も全て美しくしてくれます。そして更に生活に勇気をわかせ、未来に処して誤りのない処世の智慧をも生みだしてくれるものなのです。
 日蓮上人 神国王御書に曰く
 法華経は人のすがたを浮かぶるのみならず、心をも浮かべたまえり、心を浮かぶるのみならず、先業をも未来をも鑑み給うことくもりなし。

平成13年7月1日 「真の美顔術」

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