法雨抄

自分を高める努力を2000年12月01日

 国内の財務会計ソフト開発・販売の草分けであり、会計ビッグバンで注目されているミクロ情報サービス社長 是枝伸彦氏はサンデー毎日連載の「トップに聞く」対談で福島敦子の
 「社員にも『社畜になるな、自分で考えダイナミックに仕事をしろ』と檄を飛ばしているとか」
という問いかけに対して
 「一番大事なのは主体性を持つことですね。餌をぶらさげたりたたかないと動かないようではダメ。自分で考え、自分で行動しないと。そうしたら自分の力でどこに行っても食べられますよ。自分で考える事を放棄することは人間である事を放棄することと同じです」
とのべ、更に福島の
 「みずから考える訓練が教育の場で不足しているため、企業に入って『主体性を持て』と言われても戸惑ってしまうのが今の二十代、三十代の世代です」
と言う述懐に
 「体験させるしかないのです。自分を高められる人間が伸びるのです。今の時代は宝の山のようなものです。こんな面白い時代はないですよ」
と、答えています。
 長年飼育されていた動物は自然に帰しても生きてゆけないといいますが、如何に生きて行くかと言う自助努力を失ってしまった結果でしょう。
 人間も同じ事ではないでしょうか。そして自分が立って行けなくなると、そういう訓練の場がなかったといいわけし、自分を助けなかったと他をうらみ、他を責め、地獄へ落ちて行くのです。
 信仰も又然り、自らの信を深め励むものは救くわれるのです。
 日蓮大上人法蓮抄に曰く
 信なくしてこの経を行ぜんは手なくして宝山に入り、足なくして千里の道を企つが如し

平成12年12月1日 「自分を高める努力を」

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