法雨抄

出来るだけの事はした2000年10月01日

 オリンピックも終わりました。昨日の朝日新聞コラム『シドニーの風-勇気を語る肉体』にこんな事が書かれていました。
 スポーツ選手の肉体からは、いつも何らかのメッセージが発せられている。・・・米国の自転車選手、ランス・アームストロングの場合はストレートで、力強い。その言葉はおそらく、「勇気」だと思う。
 三十日のタイムトライアルに出場するアームストロングは、ツール・ド・フランス二連覇中の王者だ。自転車の世界では、これだけで知らない人はいない。欧米で興味のない人にも有名なのは、このレーサーが、がん克服者だからだ-中略-
 二度の五輪出場ではメダルと無縁だったアームストロングに、シドニーは残された宿願を果たす舞台だ。しかし、ここにも試練は待ち受けていた。大会直前、交通事故に遭遇。脊髄を痛めた。練習できず、ロードレースは十三位に終わった。二十九歳のレーサーに残された機会が、タイムトライアルになる。
 自らが記した本には、こうつづられている。「スポーツ選手が社会にできることは、人間の力はここまでできる、という可能性を示すことだ」・・・と。
 そのアームストロングはタイムトライアルの銅メダルに輝やきました。がん手術の為以前のようにペダルに力が伝わらないので、乗り方、こぎ方を変える苦労を乗り越えての銅メダルだったと言います。
 彼は又がん克服運動の先頭にたって活躍しており、彼の選手としての活躍はがん患者を大いに勇気づけていると言います。そして今度は堂々銅メダルです。彼は「出来るだけのことはしたんだから」とこのメダルをそっと両手に包み込んだそうです。
 彼は自分の生き方に最善を尽くしたのです。日蓮大上人 富木殿御書に曰く

 我が門家は夜は眠りを断ち、昼は暇を止めてこれを案ぜよ。一生空しく過ごして万歳悔ゆることなかれ。
平成12年10月1日 「出来るだけの事はした」

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