法雨抄

いのちは未来へ2000年09月01日

いのちは未来へ

わたしのいのちは
遠い遠い過去から
とぎれることなく
続いているのです
だから
遠い遠い未来へも
とぎれることなく
続いてほしいのです
遠い過去から
遠い未来へと続く
このいのちの流れを
だれも 切ることはできません
だれも 切ってはなりません
わたしのいのちも
あなたのいのちも
未来へと続いているのです
いのちは未来へ-
 (仏教スクール第四十三
私のいのちは遠い過去から途切れる事のなかったいのちの流れのなかで、初めて実を結んだいのちです。それはたった一つのいのちであり、たった一度の人生です。
 日蓮上人も身延山御書に、人生の尊さを
「大地の上に針を立て、大梵天宮より糸を下ろして、あやまたず糸を針の穴に入るる事はありとも。我らが人間に生るる事はかたし」と、述べておられます。
 だったら、このいのちを十分に花開かせ、豊かな実りを結んで、其の良質のエネルギーをいのちの流れの中に返して行かねばならない責任があるのではないでしょうか。
 若い人たちの中には「いのちが何故大切なのかわからない」とあっけらかんとしているような人もいるそうですが、こういう人のいる事にも私たちは責任を感じて、みんなで幸せな、充実した人生を送る事が出来るよう手を取り合い、励ましあって行かなければならないのではないでしょうか。
 今月は彼岸会の月です。彼岸とは皆が幸せに生きることを励まし会う世界です。
平成12年9月1日 「いのちは未来へ」

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