法雨抄

ご縁2009年12月01日

人はいつも、生きる意味を求めてあれこれ迷い歩くが、「自分が存在するだけで誰かを助けている」と思えるなら、それは素敵な「生きる意味」ではないか。
私は多くの人の「存在」に助けられ、その私もまた、気づかないうちに「自分が存在すること」で人の役になっているのかもしれない。
私はそういうほのかな支え合いの力を「ご縁」と呼ぶ。(佐々木閑著「日々是修行」)とありましたが、

自分は誰かのために必ず必要な存在であります。
誰にも必要とされない人などありえません。
だとすると他の者への思いやりをわすれないことが人間的であるということでしょう。
そしてその功徳は又自分に帰ってくるということでしょう。

日蓮上人「食物三徳之事」に曰く

人にものを施せばわが身のたすけとなる。
譬(たと)えば人のために火をともせば
わが前のあきらかなるがごとし。

平成21年12月 「ご縁」 第621号

法雨抄一覧へ戻る