法雨抄

心に知恵の灯を2000年02月01日

 成人式での若者のマナーの悪さが一部で問題になっているようですが、先日こんな朝日新聞への投書が目につきました。
 こうした問題は、小手先の対応だけではなく、大人の責任と言う視点から見ていく事も大事ではないだろうか。新成人の若者たちの手本となるような生き方や行動を、日ごろ、私たちが心掛けているかどうか。
 そのヒントとなる話を、最近、私の大先輩からうかがった。人生には「四つの幸せ」の条件があるという。

 1.胸を張って誇れる自分自身の歴史を持つ
 2.かけがえのない友を持つ
 3.尊敬する人・先輩を持つ
 4.確固たる人生哲学を持つ

この四つを併せ持つ人、また、持とうと努力する人にはおのずと自覚が生まれ、行動も違ってくる。
人間として輝く、と。
 「気ままに生きても、悔いが残るだけ」の一言に、ハッとさせられた。大人がこうした姿勢を身をもって示せば、きっと若者も後に続くに違いない。(東京都・赤崎茂樹さん)
 「近頃の若い者は・・・」とはギリシャの昔から言われ続けてきた言葉のようですが、しかし、その若者たちも大人たちの「こごと」をがっちりと受け止め、次の世代を支えてきたのです。私たちもまたその若者たちに次の世代を受け継いでもらわなければならないのですが、今の大人たちには本当の意味での「こごと」がなく、ただぼやいているだけではないでしょうか。自信を持って「こごと」の言える大人にならなければ、若者たちはかわいそうです。若者たちは戸惑っているのではないでしょうか。
 若者たちは何と言っても大人の言動を真似して育ってゆくのです。大人を批判しながらも、尊敬したいと思っているはずです。
 だから大人が強く正しく生きる知恵の灯を自分の心の中にしっかりとともすことです。それには私たちが真の信仰を身につける事が一番の近道ではないでしょうか。

 日蓮上人は観心本尊抄に
 「天晴れぬれば地明らかなり。法華を知る者は世法を得べきか」と。

平成12年2月1日 「心に知恵の灯を」

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