法雨抄

足下を見よ2017年09月01日

遠い昔のギリシャで、ある夜一人の男が満天の星空を眺めながら歩いていて、誤って足もとのミゾに落ちてしまいました。

これを見ていた町の人たちは笑いながら、

「ダレス先生ではありませんか、先生、星の研究も結構ですが、足元の方にも注意してくださいよ」と、声をかけたといいます。
彼こそは古代ギリシャの時代に天体の運行を研究し、日食の現象を予言した大科学者のタレスでした。
しかし、いかに大先生であっても自分の足もとが確りしていないことにはすべてが無になってしまいます。まず足下を見よとは先師の教訓です。
彼岸一週間は先祖様に感謝し、自分の足もとを見直す機会です。

日蓮大聖人崇峻天皇御書に曰く

教主釈尊の出世の本懐ほんがいは、人の振舞ふるまいにて候いけるぞ。

平成29年9月1日 第714号「足下を見よ」

法雨抄一覧へ戻る