法雨抄

彼岸会2010年03月01日

聖と俗とを二元的にはっきり分ける西洋の宗教と違い、仏教では「聖凡一如」とか「仏凡一如」とか言うように、聖人と凡人、仏様と凡人を必ずしも対立するものとはとらえていないのではないでしょうか。
  私たちが人間として生きて行くのは凡人の世界でしょう。然し、其処で生き甲斐を求めて目指す世界は聖なる世界であり、仏の境地でしょう。
  だとすると、私たちの心の舵を聖なる世界に向けて切り続けることが大事なことになるでしょう。亡くなられた先祖様を供養することをきっかけに、その聖なる世界への航路図の見方や舵取りの方法を習うのが、彼岸会の大きな目的です。お釈迦様はあの世ではなくこの世で仏の境地を得られる生き方を示されたのです。
  日蓮上人開目抄に天台云として
  若し深く世法を識れば即ち是れ仏法なり 等云々

平成22年3月1日 彼岸会

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