法雨抄

幸せとは2008年10月01日

 自転車で世界を一周した坂本達さんは、パキスタンでバザールにたむろする人たちから、
 「僕らはいくら働いても一生、日本に行くことはできない。だから君が日本に帰ったら、僕たちのことを伝えて欲しいんだ。僕たちは日本のような豊かな暮らしはできない。だけど身近な人や文化を大切にしながら、日本人がきっと当たり前と思っているようなことに喜びを感じながら生活しているんだ」
と、言われたと言う。(梅家族より)
 乏しい中にも分けあい、自分たちの国の文化や伝統に誇りを持って生きている人たちと、物余りの中で、なおもあくせくと、無いものねだりをしている人たちと、どちらが幸せでしょうか。要は心です。
 日蓮上人は四条金吾に宛てて
 「ただ女房と酒うちのみて何の不足かあるべき」と。

平成20年10月1日 「幸せとは」

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