法雨抄

一歩踏み出そう2007年08月01日

暑中お見舞い申しあげます。
 異常な暑さですが、
  ご自愛ください。

「中学時代、選択式の問題で答えがわからなかったらどうしました」先日、中学教諭の経験がある教育委員会職員に質問された。鉛筆でも転がして適当に選んだきがする。しかし、今の子どもたちは、答えに自信がないと、あてずっぽうで選ぶことすらしないのだと言う。何故、こんなにも失敗や間違いを恐れるようになったのだろう。
 この問題は、子どもの世界にかぎらない、新人研修で、新人に質問してもなかなか答えが返ってこなかった。繰り返し質問を続けたところ、最後になって、ある新人が「失敗することがこわい...」ともらした。
--中略--
 今の世の中は、起こるかもしれないリスクを恐れるあまり、挑戦がしにくい。しかし、社会で求められているのは自分で考え行動する人材だ。子どもたちには、解らなくても一歩踏み出してほしい。
 此れは朝日新聞のコラム「あめはれくもり」の「答えないこどもたち」の一節です。
 若い頃は失敗しても良い、「失敗は成功のもと」だと教えられたものですが、今の人たちはあまりに良い子ぶって、失敗をおそれ、サザエのように角だらけの自分の殻の中に閉じこもる傾向にあるようです。しかし、つぼ焼きよろしく、殻の外から焼かれてはたまりません。熱さにたえかねて、自分でも想像しなかったような行動に走ってしまうのではないでしょうか。そうした心を開放してくれるのが信仰です。その原理が妙法です。日蓮聖人法華題目鈔に曰く
 妙とは蘇生の義なり、蘇生と申すはよみがえる義なり。

平成19年8月1日 「一歩踏み出そう」

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