法雨抄

老人社会力2002年12月07日

日下:高齢化が進んでいるのは日本だけではありません。いずれほかの国もそうなる。だったら日本は高齢化社会に関しては先進国なんです。携帯カイロ、大きな活字で読みやすい新聞、高齢者用リゾートホテル、高齢者向けテレビ番組は、介護-これら全部を後から続く国が真似するようになる。
K:お年寄りが便利なように・・・と考えたアイデアが、すべて世界的な規模での商品になるということですね。
日下:そうです。だから日本はお手本を示さなきゃいけない。日本の高齢者には、もっとお金を使って自分たちの幸せを追求しなさい、といいたいですね。今まで一生懸命働いてこられたんですから、それは当然の権利ですよ。日本の貯金の70%は高齢者がもっています。そのお金を、自分たちが生活しやすいように、幸せになるように使っていただく、そうすることで高齢者向けの商品の開発が進み、世界のシルバー市場で日本は大きくリードすることができる。私はこれを「老人社会力」と呼んでいます。高齢化社会だといって暗い社会を想像するなんて、とんでもない間違いですよ。
 これは「梅家族」という商業誌の対談の一節です。
 日下さんは高齢化というマイナス要因もも、考えようによっては国家のひとつの力になるといっておらるのです。
 仏教はともすると、私たちに暗いイメージの末法思想を植え付けるかのごとく思われがちですが、法華経にはそういうときに仏様の子飼の菩薩を派遣して時代をよみがえらせる秘法を用意してあるのです。末法の人の心の畑は雑草で荒れ放題のようですが、その雑草も南無妙法蓮華経による処置をほどこせば、有機肥料となって仏性の花の養いになるのです。上野殿御返事に曰く
 法華経は草木を仏となし給う。いわんや心あらん人をや。

平成14年12月7日 「老人社会力」

法雨抄一覧へ戻る