法雨抄

怒るな1997年09月01日

ゴルフと言えば、毎日テレビ・ラジオにその放送のない日はないと言っていいくらいに盛んなスポーツです。
そのゴルフの世界に最近華々しく登場して、世界中を沸き立たせているタイガー・ウッズの名は、ゴルフに興味のない方でも一度や二度は聞いておられるはずです。
この若い天才ゴルファー大活躍の陰に、専属コーチのブッチ・ハーモンの存在を忘れてはならないと言われています。
ブッチはこう語っております。
「技術的には、私自身はいいプレーヤーだったと思っています。でも、性格上の問題があったんです。いい結果を出せなかったり、ミスショットをしたりすると、自分に怒って責めてしまうんです。それでベストプレーが出来ない傾向がありました。最後はそんな自分のプレーに興味もなくしかけていました。だから、ティーチングプロになったことは全く後悔していません」
ですから、ブッチは先輩の
「ゴルフがうまくなる秘訣は、怒らないことだ」
と言う言葉を生徒にも伝え、心の平静を保つことの重要さを教えているということです。(プレジデントより)
怒るということは仏教では人間の根本悪の一つとして教えられております。
怒は破壊性を持っておりますので、人が怒る時は周囲を皆敵にしてしまうばかりでなく、自分さえも破滅に追い込んでしまいます。これを予防するのは堪忍の徳を積むことです。人から馬鹿野郎と言われてもすぐ怒って「何を」といわずそれを忍ぶことです。今月は彼岸の月ですが、お彼岸には六つの徳を積んで立派な人間になるよう努力しましょうと教えています。その中で怒を起こさないことが一番大切なことです。穏やかな気持ちで先祖様を供養しましょう。
日蓮聖人は持妙法華問答抄に
「汝仏にならんと思ば、慢(まん)の幢(はたほこ)を倒し、忿(いかり)の杖を捨てて、ひとえに一乗(法華経)に帰すべし」と。

(平成9年9月1日)

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